日本人は江戸時代までは獣肉を食べる習慣がほとんどありませんでした。したがって、牛や豚が一般の食卓にのぼるようになったのも、明治もかなり経ってからです。特に、網や鉄板の上で小さく切った肉を焼き、その場でタレをつけて食べる、狭い意味での「焼肉」が一般家庭でも広く普及したのは、戦後もかなり経ってからです。焼肉というと、朝鮮半島の料理というイメージがあり、かの地が日本に先行していたのは確かですが、朝鮮でも一般庶民が焼肉を食べるようになったのは、そう古い時期のことではありません。もともとは高級料理だったのです。
1970年代以降、「安いお肉でいいんです」といった焼肉タレのCMなどもヒットし、家庭で楽しむ焼肉はすっかり一般的なものとなりました。煙の出ないプレートや、換気扇も普及したこともあって、一般家庭の屋内で楽しむのに、何のさしさわりもない状況となっています。一方で、独特の雰囲気や開放感を求めて、庭やテラスでホームバーベキューを楽しみたいという方も多いようです。これは、大変に楽しいものですが、外部に煙や話し声が漏れるということに充分な留意が必要です。あらかじめご近所の方とコミュニケーションが必要で、これが充分に取れてない場合は、思わぬクレームやトラブルを招いてしまうことがあるのでご注意ください。